そもそもお金ってなあに?
自分の子供から、「お金ってなあに?」と聞かれて、即答できる人はいますか?
あまりに身近にありすぎて、なかなか返答に困るのではないでしょうか。
では、お金がなかった時代は、どうやって物を買っていたのでしょうか。
物々交換ですよね、お互いに自分が持っている物と同じ価値があるものを選んで交換していました。
今はどうでしょうか、物を買うときには、それと同じ価値の金額を支払っています。
お金には、額面(100円とか1000円とか)の価値があることを、保障されているから、ただの紙切れではなくお札になるわけです。
つまり、お金というのは、何か価値があるものために使うから意味があるのであって、持っているだけでは意味がないのです。
もし、子供に「お金ってなあに?」と聞かれたら、
「自分が欲しいものや、やりたいこと(目的)のために、物や価値と交換する道具」であることや、
「自分以外の困っている人のために、使うもの」ということを伝えられると、子供の将来に役立つと思います。
銀行は何をするところなのか知っておこう
子供に「銀行」って何するところなの?と聞かれたとき、あなたはどのように答えますか?
「お金を預けるところ」でしょうか?
「銀行」には、二つの役割があります。一つは「お金を預ける」ことであり、もう一つは「お金を貸す」ことです。
「銀行」は、個人や会社などからお金を預かり、個人や会社にお金を貸すことにより、世の中のお金を循環させていることになります。

「お金を預ける」イメージはすぐにつくと思います。貯金箱のイメージですね。
なぜ、「お金を預ける」のかというと、現金で持っているよりも安全だということと、口座引き落としのように、間接的にお金のやり取りができるからです。
また、ほんの微々たるものですが、利息も付きます。
「お金を貸す」というのは少しイメージが難しいかもしれません。例えば、住宅ローンといったものを指します。
クレジットカードも、支払いが未来になりますから、一時的にお金を貸してもらっているということになります
また、お金を借りる時には取扱手数料と利息がかかるため、銀行の収入源となっています。
預金することのメリットについて
預金することの最大のメリットは、お金を財布の中から分けて、すぐには使えないような場所に移すことができることです。
例えば、会社から給料をもらったら、一定金額を給料振込口座とは別の口座に振り込むことにより、自動的に貯金をすることができます。
「保険」に比べて、お金を出しやすいという面はありますが、財布の中に入れているよりはマシでしょう。
預金することのデメリットについて
銀行に100万円を預けているとします。そのお金は増えることはあっても減ることは無いと考えていませんか?
実は、銀行に預けている100万円も財布に入っている100万円も、同じに減っているんです。
もちろん、目に見えて、100枚の一万円札が90枚になるわけではありません。
お金の価値が下がることにより、100枚の一万円でも90万円の価値しかなくなる現象があります。
それが、「インフレ」です。
皆さんの年齢にもよると思いますが、昔ペットボトルのお茶は1本100円でした。
でも、今は130円だったり、150円だったりします。
中身はお茶ですよね?変わっていません。
けれども、物を買う=お金と交換しようとすると、必要な金額が増えています。
つまり、お金の価値が下がって、同じものを購入するのに、多くのお金が必要になっているわけです。
実は日本は、海外と比べてインフレの上昇率がほんの少し(年に0.5%程度)なので、あまり実感することは無いかもしれません。
しかし、0.5%であったとしても、10年たてば、5%以上のお金の価値が下がります。

例えば、アメリカのインフレ上昇率は1.5~2%ほどありますので、10年で、20%以上お金の価値が下がるわけです。
それ以上にお金を増やさないと、どんどん貧しくなっていきます。
海外では、お金に関するリテラシーや教育が行われているのは、生活に必要なことだからなんですね。
少なくても日本政府はインフレ上昇率を上げようとしていますので、日本に住んでいたとしても、
ちゃんとお金の勉強をしないといけません。
子供に伝えたいことが2つあります
子供の教育に際し、伝えたいことが2つあります。
- お金を貯めるということ
- クレジットカード・借金について
お金を貯めるということ
今は電子マネーが主流ですので、スーパーに一緒に買い物に行ったとしても、硬貨を見ることも少ないかもしれません。
手に取ることができないので、お金の存在を認識することが難しく、お金を貯めるということが実感できない可能性があります。
ぜひ、3歳ぐらいから、「貯金箱にお金を貯めること」を行ってください。

貯金箱は外から見えるものにしてください、割れないように頑丈なものが良いです。
何かのご褒美でも構いませんので、お金を渡して、貯金箱に入れるということを教えてあげてください。
そして、お買い物ときに、面倒かもしれませんが、お札や硬貨を、子供の前で使ってあげてください。
できるならば、(新聞を取っていない可能性も高いので)、スーパーで配っている広告を持ち帰り、物とお金が交換できることを認識できるようにしてあげください。

クレジットカード・借金について
2つ目は、小学生以降でよいと思いますが、クレジットカードというのが何かを教えてあげください。
クレジットカードは、魔法のカードではありません。
個人の信用を元に、利用限度額が決まり、お金を貸してもらっている(返す必要がある)ということを理解するのが目的です。
子供に伝える時には、「お友達と仲良くしているから」「勉強をちゃんとしているから」「ダンスが上手にできたから」など、イメージしやすい言葉で、信用というのが増えていくことを教えてあげてください。

ちゃんと、クレジットカードは、信用を元にお金を借りている(返す必要がある)ことを教えておかないと、ソーシャルゲームなどで課金重ねるなど、困ったことになりかねません。
ただし、クレジットカードや借金が悪といった教え方は間違っています。
借金には、良い借金と悪い借金があることを、教える側が理解しておきましょう。
目的がある・自分で内容を理解しているのであれば、お金を借りることは悪ではありません。
例えば、自分が成長するために、お金を借りて教育を受ける(教育ローン)や、制度がしっかりしている住宅ローンは、悪い借金とは言えません。また、事業(価値を生み出す)ためのローンもよい借金です。
悪い借金とは、必要がないのに意味のない利子を支払ったり、自分で制御できないお金の借り方をすることで、
ショッピングローン(リボ払い)や、利子の高く、目的が制限されていない消費者ローンなどが代表です。
- 良い借金の例
- 使用目的、金利などがしっかりと制限されていること
- 教育ローン、住宅ローンなど
- 事業のためのローン
- 使用目的、金利などがしっかりと制限されていること
- 悪い借金の例
- 使用目的が決まっていない、金利などが必要以上に大きい、不必要
- ショッピングローン(リボ払い)、消費者ローンなど
- 使用目的が決まっていない、金利などが必要以上に大きい、不必要
最後に:現金(預金・貯金)でお金を貯めるということ
コロナ禍により、日本も含めて、かなりの量のお金が中央銀行から発行されています。
特に日本は世界でも、GDPにおける借金(たくさんお金を発行している)の割合が大きく、現金の価値は低くなっていく一方です。
3本柱のバランスが大切ですが、現金で持つ意味ということを、一度考えてみてください。
極端に、じゃあ投資に100%だ!とならないよう気を付けてくださいね。
常に基本を意識するようにしてください。